山梨県立やまなし地域づくり交流センターでは、令和6年度の y²meet upを開催した。学生や社会人など約30人が参加した。
「未来のやまなしを創る新たな風」をテーマに山梨総合研究所による「データから見たやまなしの今」をはじめ、ゲストスピーカーを招いて進行した。
本イベントでお呼びしたゲストスピーカーの方は以下の通りである。
学生団体 SHINE代表 奈良千尋さん
NPO法人ほくと育ちあいのもり North tree理事長 平出ユウ香さん
障害者就労継続支援B型事業所りらくリーダー兼ゲストハウス璃洛支配人 廣瀬友幸さん
梅鉢不動産株式会社代表取締役 梅原颯大さん
1 ~報告:データから見たやまなしの今~
はじめはwell beingの各指標をもとに様々な視点からのやまなしの姿を確認した。ここでは主観指標として国が定めたwell being指標をもとに山梨総合研究所が行ったアンケートの結果を参照し、客観指標ではオープンデータを参照した。主観指標では近隣の静岡や長野と比較し健康面や住居面の指標が高いことが確認できた。反対に仕事の面や若者、女性の活躍という面が隣県に比べて低いことが確認できた。その後「若者のキャリアデザイン」、「子育て支援」、「個性を生かした働き方」、「空き家の利活用を通した地域活性化」の4テーマに分け詳細な分析報告を行った。各分野で従来から使われる客観的指標を用いた分析に加え、well beingを軸にした主観的指標を用いた分析を行うことで従来より幅を持たせた新しい分析を聞くことができた。
2 ~事例紹介:若者の取り組みから見たやまなしの今~
次の事例紹介では、若いながら各分野で活躍されるゲストスピーカーの4名に、ご自身の活動と先述の中の関連テーマについてのお話をいただいた。それぞれが関連テーマに対して活動を通して感じた課題やあり方について述べて頂いた。
奈良さんは様々な学生団体での活動を通し「若者が山梨について知らないこと」が、若者が山梨で暮らす未来を想像しづらくし東京へ出てしまうと述べ、地域について知ることの大切さを強調した。
平出さんは子育て支援において「出会いや交流機会の減少」を課題としている。これは子供の発育において様々なコミュニケーション能力を養う機会の減少につながり、親にとっても仲間と子育てをする機会がなくなって孤立してしまう。平出さんは今後の活不動として年齢幅を広げた活動を展開し、地域と子育て世代を繋ぐ活動を行いたいと述べた。
廣瀬さんは障害のある方の働き方に関して「チャレンジする機会を失ってしまうこと」を課題とし、施設として過保護すぎずに利用者にチャレンジの機会を提供し成長のお手伝いをしたいと述べた。
梅原さんは空き家への取り組みを行う中で「総合的な人手不足」を課題に挙げた。空き家を整備するための短期的な労働力としての人手と、申請などを処理する資格を持った専門的な人材が不足しており空き家を扱うハードルの高さに言及した。
3 ~ディスカッション:みんなで創るやまなしの未来~
最後に参加者とゲストスピーカーを交えて4つのグループに分かれ、興味のあるテーマについてのグループディスカッションを行った。大学生をファシリテーターに設置し、各テーマの「良い点」、「悪い点」、「理想の未来」、「私たちにできること」を議論し、様々な結論や知見を得た。各テーマであまり知識のない人やそれを生業にしている人まで混ざり合い、立場や年齢が違う人たちが議論することでお互いに刺激しあい各人が自分にできることを考え、持ち帰ることができた。
このうち、私が参加した「空き家の利活用による地域活性化」のグループでは、空き家の処分や売買がなぜ進まないのか、どのような活用方法があるかなどが議論された。
<参加者の声>
◎全体の講演を通して寄せられたコメントを紹介する。
「若い世代と交流できて大変有意義だった。」
「県内の活動を知れてよかった。」
「貴重な機会でもっといろんな人と話したかった。」
などが寄せられた。私自身もイベントを参加して多くのことを感じた。今の時代若者の活動で地域が良い方向に変わっていくことはまれではない。自分の力で地域を変えられるのが地方で働く楽しさなのではないかと感じた。
◎セミナーの満足度はアンケートによると
満足(満足、どちらかというと満足)が94%であった。
本レポートは学生サポートチームの山梨県立大学 渡邉康太が担当しました。