山梨県立やまなし地域づくり交流センターでは、令和5年度後期のy2セミナーをスタートした。9月24日はキックオフとして、y2basic地域課題基礎セミナーを開催。学生や社会人17人が参加、山梨英和大学の学生も授業の一環として参加した。講師にはNPO法人コモンビートの安達亮さん(理事長)と花宮香織さん(事務局長)を招き、「Yes and…カラダを動かすゲームで学ぶ、発想の広げ方」をテーマにいくつかのゲームを体験した。コモンビートによると、「このイベントで大事なことは、躊躇せずにやること」とのことで、基本的なルールとして「Yes and…と言う」「考えずにやってみる」「その場で生まれるものを楽しむ」の3つを決めて行った。
ゲームの一例: 最初のセリフと最後のセリフを決めてストーリーを作っていくゲーム。
最初のセリフ「事件は現場で起きています」
最後のセリフ「お母さん ありがとう」
参加者1:事件は現場で起きています。
参加者2:どうします?
参加者3:会議してる場合でいいんですか
参加者4:現場行きましょう
参加者1:僕のうちですけど
参加者2:何がおきたんですか?
参加者1:猫がいなくなった
参加者3:いつからいないんですか?
参加者1:けさからいない。どうすればいい?
参加者2:誰かに聞こう
参加者1:うちのお母さんとかに聞く?
参加者1:(電話)お母さんのところに行ってますか?いる?
いました!
最後「お母さん、ありがとうございます。」
最初と最後の言葉がかけ離れているかに見えても、どのグループもチーム力のようなチカラが働き、最後の言葉にうまく落とし込むことができていた。講師たちは、「即興でやっていく素晴らしさを体感してほしい。設定を自分たちで作って、どんどん発想を積み重ねていくと、何それ?というような面白いストーリーがうまれる」と話していた。
一方、参加者からも気づきの声が聞かれた。
「必死になると周りの人のことをしっかり聞くようになることがわかった」
「アイデアを出すのも大事だけど聞くことが大事。このアクティビティだけでもチームになっていく。お酒はいらない」
「ふだん使わない頭を使って、いつもと違う疲労感が心地いい。ここに来る前とはちょっと違う自分になっていると思う」
講師からはさらにこんなアドバイスがあった。
「私たちは自分でも気づいていない先入観(無意識バイアス)をもっている。ひとりで発想をやわらかくしようと思っても難しい。私たちは効率の中で生きているからあいまいなものは苦手だけれど、今は、あいまいさ、不確実さを楽しもう、というチカラが大事と言われている。個人ひとりひとりの中では発想がせまい。まずは自分をオープンにすることからはじめる。人に話してみる。そしてフィードバックももらって発想を広げていけばいい。この循環で発想を広げていける。」
全体を通して参加者からは新たな気づきのコメントが寄せられた。
「瞬発力がないというか、パッと答えられないと思っていたけど、強制的にルールの中にいればできるんだと、ちょっと自信になりました」
「バイアスが強い人間だけど、恥ずかしいとかマイナスな感情がなかった。楽しかった。オープンになるための環境づくりができていたからできたと思う。その場の作り方が大事だと思った」
「感じたことをまわりの人に言ったことがない。初対面でも周りの人が暖かいからできた。
こんな環境づくりができる人になりたいと思った」
「Yes andはすごくいい雰囲気をつくる。意見をいうのは勇気がいるけど、「それいいね」って認められることで、いいアイデアがうまれる。日々のコミュニケーションでも大事だと思った」
セミナー終了後のアンケートによると、満足度(満足、どちらかというと満足と回答)は100%となった。
県立やまなし地域づくり交流センターの令和5年度後期のy2セミナーは、10月から「地域課題解決起業支援セミナーy2advanced」が始まります。地域のために何かやってみたい方、アイデアを事業化できるか整理したい方、地域貢献活動をもう少し進めたい方…お気軽にご参加ください。(HPにて申込受付中です)