■地域づくり交流会y²meetup
山梨県立やまなし地域づくり交流センターは、公益財団法人 山梨総合研究所と共催で2月19日(土)に地域づくり交流会「y²meetup」(ワイスクエア・ミートアップ)をオンラインで開催しました。
この地域づくり交流会は、若者世代に地域課題をSDGsの観点で考える機会をつくろうと、やまなし地域づくり交流センターと山梨総合研究所、それに山梨県立大学、山梨英和大学の学生で企画したものです。
取り上げたテーマは2つ。「ムシしか食べられない??!!~食の未来を考えてみよう~」と「学生が企業にモノ申す!!~若者のリアルな声をぶつけよう~」です。
このうち、「ムシしか~」の交流会は、一般や学生11人が参加。講師には学生団体「PUPAL」として昆虫食の販売をしている山梨大学大学院の野垣佳佑さんが招かれ、「飽食の日本でなぜ昆虫を食べるのか」と題して講演しました。野垣さんが「なぜ虫を食べると思いますか?」と問いかけると、参加者からは「おいしいから」「未来の食料難に備える」といった予想意見が。また、「これから流行ると思いますか?」と問うと、「肉が無くなれば流行る」「例えば“肉まん”が“虫まん”になる」といった意見が出されました。そのうえで野垣さんは「昆虫食=SDGsかと言うと、答えは△です」と話し、「現在は東南アジアからの輸入品が多く単価が高い。流行らせるためには安価にする必要があるが、国産で大規模生産となると、東南アジアの所得が無くなる場合も出てくる。しかし一方で、日本で流行ることによって、食材としての研究開発が進むメリットがある。その技術を途上国に還元することができれば、間接的に大きい働きができると考えている。」と、その理由を説明しました。
参加者からは、「昆虫食の意義がわかってよかった」「普通においしかった」「食料問題を真剣に考えている人がいてよかった」「昆虫食も食べられるという選択肢を持った状態でいたいと思う」といった感想が聞かれました。
続いて行われた「学生が企業にモノ申す~」では、若者の地元離れという問題解決に向け、企業と学生がおのおのギャップを知り、山梨への就職について考えるのが目的です。学生7人と山梨県内の企業4社(山梨中央銀行、クリーニング志村、KEIPE、テレビ山梨)が参加し、「組織の平等」「働きがい」「企業風土」「研修体制」「社会貢献」など多岐にわたって学生と共同ワークショップ、グループディスカッションを行いました。この中で、学生から出された「企業の平等について現状を教えてください」という質問に対し、企業側からは「組織はフラットで年功序列は無い」「以前は年功序列だったが新しい人事制度を導入し、女性のみのチームもある」といった説明がありました。
また、「どんな時に働き甲斐を感じますか?」という質問には、「提案に対してお客様からありがとうと言われた時」「社員が考えて運営していくこと」といった答えが。さらに、「会社内の上下関係」に関連して、「疑問があったら上司に聞けますか?」という質問には、「聞ける雰囲気をすごく大事にしている」「仕事はもちろん、年齢の近い先輩や同期と横のつながりも持てるので困ったときに聞けるのは強み」という答えが聞かれました。
今回のワークショップを通して学生からは、「フレキシブルな働き方は職種によることがわかった」「どう働くのかが定まっていない中で企業の話が聞けてよかった」「抽象的な言葉でなく具体的に伝えることが大事だと思った」「若者の転出についてもっと対話できればよかった」という感想がありました。一方、企業側からも「学生の生の声が把握できてよかった」「就職活動に役立ててもらえれば」という感想がありました。
全体を通して、学生からは「SDGsは身近なことだったことがわかった」「実践的な経験をすることがSDGsを知り、地域問題を自分事にできると気づいた」「SDGsを身近に感じるための機会を作ることが重要だと感じた。また、その先の行動へつなげることも大事だと思った」という意見がありました。
SDGsの取り組みは、これまであらゆる人や企業がやってきたことも多く含まれます。やまなし地域づくり交流センターでは、SDGsの考え方がさらに地域課題の解決にもつながっていくよう、より大勢の人が、改めて気づいたり、やってみたりする機会をつくっていく予定です。未来がよりより社会であるために。